日付は、現代のような「刺身(さしみ)」が文安5年(1448年)8月15日の日記として初めて文書に登場したことにちなむ。
室町時代の外記局官人を務めた中原康富(なかはらの やすとみ、1400~1457年)の日記『康富記』(やすとみき)に、文安5年8月15日の記事として、「鯛なら鯛とわかるやうにその魚のひれを刺しておくので刺し身、つまり“さしみなます”の名の起こり」とあり、これが初めて文書に登場する刺身に関する記録とされる。
この他にも、京都吉田神社の神官であった鈴鹿家の記録である『鈴鹿家記』(すずかかき)の応永6年(1399年)6月10日の記事に「指身 鯉イリ酒ワサビ」とあるのが刺身の文献上の初出であるという情報もある。
『康富記』の記事の日付に由来して8月15日が「刺身の日」とされる。書籍にも記載のある記念日ではあるが、記念日を制定した団体や目的などについては定かではない。
「刺身」とは、新鮮な魚介類などの素材を生のまま薄く切り、醤油やワサビなどの調味料を付けて食べる日本料理である。「造り」や「お造り」などとも言う。
上記の『康富記』の内容にもあるように、「刺身」という名前は、その昔、切り身にしてしまうと魚の種類が分からなくなるため、その魚のヒレやエラを切り身に刺して分かるようにしたことに由来する説がある。
また、一説には「切り身」は武士が腹を切ることを連想させるため、「切る」という言葉を避けて「刺す」を使い、「刺身」になったとも言われている。
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